着飾ることが大好きだった自分がいつの間にかベーシックな服を選ぶようになり、「人生まだまだなのにもったいない」と覚醒したことが今回のコレクションの始まりです。ドレスダウンを遊べるエッセンスが70%、ドレスアップを叶えるエッセンスを20%。そして、みなさんの着こなしアイディアの10%で完成する楽しいコレクションです。
ワードローブに欠かせない“大人の定番服”も作りたい。快適な着心地が持ち味のTシャツのように自信をくれて着こなしを引き締め、更新不要で長く付き合えるトップスをリブニットで作りました。
シルエットはフィットしすぎず、少しスリムに見せてくれることが理想。だから細めのリブ素材を選びました。誰もが頼れる相棒であるために、色は迷うことなく白と黒に即決。ボトムスに何を持ってくるかで、引き立て役にも引き締め役にも化けるニットです。
今回のコレクションにも皆さんのワードローブにも
欠かせない“大人の定番服”
鎖骨のラインに沿って横長に緩くカーブのかかったボートネックでデコルテが綺麗に見えるよう、何度も試作を重ねました。そしてフロントのツイストデザインには、肌見せ具合を調整できる小さなボタンを付けてあります。シーンに合わせて肌見せ具合をアレンジしてください。シルエットはフィットしすぎず、少しスリムに見せてくれるように細めのリブ素材を。色は、誰もが頼れる相棒であるために迷うことなく白と黒に即決。装いを引き立てる、着こなしを引き締める定番トップスとして皆さんのワードローブに新しい定番として加えて頂けたら嬉しいです。
ワードローブに1着あるだけで装いが楽しくなる“主張”のあるスカート「ステートメント・スカート」の収集家でもある私から皆さんにその楽しさをお届けしたくて。今回のカプセルコレクションの始まりといえる1着がこのスカートです。
主張があるだけに人に残す印象も強い。だから自由に着回せる遊びがあったほうが良いことに気付き、製作過程でチュールの部分をUNDONE(ほどく)することにしました。型にはまらないユニークさと個性、そして主張のあるスカートを「ステートメント・スカート」と呼びます。カジュアルにもクラシックにも着回せる1着なので、シーンに縛られることなく自由に遊んでいただけると嬉しいです。
ステートメントスカートへの思い
とても印象に残っている「ステートメント・スカート」が3着あります。
1つ目はアメリカの連続テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のオープニングで、主人公のキャリー・ブラッドショーがピンクのタンクトップと共に身につけている真っ白いチュールのミニスカート(こちらは最近競売にかけられて770万円で落札されました)。2つ目は1998年のアカデミー賞授賞式のレッドカーペットで、女優シャロン・ストーンがシンプルな真っ白なシャツに合わせたライラック色のイブニングスカート。そして3つ目は映画『気分を出してもう一度 (1959)』で、女優ブリジット・バルドーが飾り気のないブラックシャツと共にカーヴィーなボディラインを強調して着こなしていた青と白のギンガムチェックスカートです。
いずれも「ステートメント・スカート」より、彼女たちの自己演出力が記憶に残っています。実は「ステートメント・スカート」の利点は、その存在感に頼ることができるので凝ったスタイリングが要らないこと。シンプルな装いだからこそ、服そのものよりも誰かの記憶に素敵に残る女性になれるのです。
クローゼットにあった大好きな私物のパンツをアップデートし、「ステートメント・パンツ」ともいえるキャロットパンツが完成。
テーパードシルエットや艶やかな光沢があるのでカジュアルになり過ぎず、バレエシューズやスリッポン、エスパドリーユやローカットスニーカーなどのフラットシューズを合わせても、華やかで颯爽とした印象に。逆にヒールサンダルやパンプスを合わせればドレッシーに。シューズとの組み合わせでドレスアップもカジュアルダウンも叶うキャロットパンツです。
「ステートメント・パンツ」
「ステートメント・スカート」ならぬ「ステートメント・パンツ」と言える存在。セージグリーンのサテンストレッチキャロットパンツをシックに着こなすには、黒や白、グレーやアイボリー、ベージュといったニュートラルカラーのコンパクトなトップスが最適。艶やかな光沢があるのでカジュアルになり過ぎず、バレエシューズやスリッポン、エスパドリーユやローカットスニーカーなどのフラットシューズを合わせても、華やかで颯爽とした印象に。
前作のホワイトデニムが好評で新色リクエストにおこたえした新作ブラックジーンズ。
少しだけユーズド感のある力の抜けた色味を選んでいるので、真っ黒なカットソーやブラウスの緊張感を和らげてもくれます。サイドポケットから繋がる絶妙な3Dのカッティング仕様で、はいた時にストンと落ちる美しいシルエットです。
前作の人気デザインをブラックジーンズで
デニム特有のカジュアルさはありますが、程良くシックな装いに仕上がるのがブラックジーンズの魅力。デニム生地の厚さは始めから肌馴染みの心地良い厚さで、一年を通じてストレスなく手に取って頂けると思います。
クリス-ウェブ 佳子 モデル・コラムニスト
4年半にわたるニューヨーク生活で養った国際感覚と、バイヤーやPRなど幅広い職業経験で培われた独自のセンスが話題となり、2011年より人気雑誌「VERY」の専属モデルに抜擢。ストレートな物言いと広い見識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。2017年にエッセイ集「考える女(ひと)」(光文社刊)、2018年7月にトラベル本「TRIP with KIDS こありっぷ」(講談社刊)を発行。二女の母。
tokyodame
デコルテが綺麗に見えるよう試作を重ねたボートネック、そしてフロントのツイストデザインは、その時々で肌見せ具合を調整できるデザインに。一見するとシンプルですが、ネックラインとフロントデザインがとてもエレガントな印象です。
「ステートメント・スカート」として製作したレース刺繍×チュールのレイヤードスカート。ペチコートやチュールスカート単体でも着回せます。カジュアルにもクラシックにも気遊べる1着なので、シーンに縛られることなく自由に遊んでほしいアイテムです。
ヒップ周りにはゆとりがあり、裾に向かって細くなっていくシルエットが人参のようなことからキャロットパンツと呼ばれているアイテム。自宅のクローゼットで眠っていた大好きなマスタードイエローのサテンパンツを今風にアップデート。セージグリーンの張り感のあるサテン地で。
私自身大好きだった前作のオフホワイトパンツが人気で、シルエットをいかしたブラックデニムを製作。肌馴染みの良い生地感なので、一年を通じてストレスフリーで楽しめます。